第38回日本コミュニケーション障害学会(広島2012.5.12-13.)

「 独居および日中独居の失語症者への災害時支援システム構築に向けて」(ポスター発表)


学会にて発表した和音の独自調査の内容とその結果を踏まえた和音からの提言を掲載します。 



【はじめに】

東日本大震災を契機に、失語症者への災害時支援のあり方について検討を始めた。まずは家族等の支援が得にくい独居や日中独居の失語症者に対して、アンケート調査を実施し実態を明らかにした。


【方法】 都内在住の独居または日中独居の失語症者29名(平均年齢64.6歳)を対象に、STが聞き取り調査を実施した。

主な質問項目は、「緊急情報は理解できたか」「緊急時の対応法は決めてあるか」「近隣との付き合いはあるか」「避難先を知っているか」「災害時に情報を教えてもらう支援システムがあったら登録したいか」など9項目であった。実施期間は2011年11月~2012年1月。


【結果】

①緊急情報の理解:計画停電や原発事故等の情報が、理解できたと答えた人は5割だった。

②理解できない時の対処方法:わからない時に教えてくれる人がいないと答えた人が3割いた。

③近隣との付き合い:6割の人が挨拶程度で、全く付き合いがない人も3割いた。また、失語症の事を自ら伝えている人は3割弱であった。

④災害時支援:避難場所は半数が知らなかった。災害時の人的支援については必要と答えた人が9割で、そのようなシステムがあれば8割の人が登録したいと答えた。


【考察】

情報弱者である独居の失語症者については、災害時に適切に情報を伝えてくれる支援者を予め決めておくシステム作りが必要と考える。各自治体で策定が始まっている要援護者支援システムに失語症者が組み込まれるよう、当事者団体と共に行政に働きかける必要がある。また、在宅支援に関わるSTは、近隣の人との関係の重要性や避難所の確認など、災害時の対応について本人と話し合う機会を持つことが必要と考える。

 

*緊急支援お願いカードは、和音が作成したものでpdf形式でダウンロードできます。